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スクールカウンセラー (15) 初めての勤務 たつとみ先生

スクールカウンセラー

素敵なせんせいをめざすあなたに

管理人
管理人

管理人が公認心理師をめざすにあたり、対策講座でお世話になった心理系予備校プロロゴスで知り合った たつとみ先生。

スクールカウンセラーとして活躍されているたつとみ先生に、スクールカウンセラーをめざす経緯や体験を連載していただいています。

類似した事例に関わってはいますが、内容はフィクションです。

前回のお話はこちら⬇️

スクールカウンセラーになるには(14)人脈 たつとみ先生

スクールカウンセラー 病院勤務とは違って

時間的には少し遡るが、自分がスクールカウンセラーとして勤務し始めた時には、同時に生徒指導員としても勤務していた。

病院の精神保健福祉士としての勤務と異なり、ひとつの職だけでは給与が少なかったからだ。

だからスクールカウンセラーの勤務地の希望を聞かれた際、生徒指導員をそのまま続けながらスクールカウンセラーとして勤務するために、同じ某市を希望した。

確か、県教委のK指導主事が、他に仕事があるかどうかをわざわざ確認して下さったのを覚えている。

某市教育委員会のD課長補佐からも、生徒指導員を続けながらというのを伺っておられたようだった。

スクールカウンセラー 初めての勤務は島

スクールカウンセラーとして初めて勤務したのは、某市の島嶼部(とうしょぶ)にある小さなK中学校。

最初はその1校だけの勤務だった。県教委から勤務校の連絡があり、休みの日に下見として車で1時間ほどかかるK中学校を訪れ、学校の見える高台から今でいう自撮りで記念撮影したのを覚えている。

K中学校は全校生徒数が80人強の小さな学校だったが、いろいろな意味でとても荒れていた。しかも初めてスクールカウンセラーが赴任するという学校だった。

赴任した際にすごくしっかりしたベテラン養護教諭のU先生と連携をとった。その一言目に

ベテラン養教U先生
ベテラン養教U先生

失礼ですけど、先生は何かカウンセリングに関わる資格等はお持ちですか?

と聞いてこられた。少しドキッとしたが、

たつとみ先生
たつとみ先生

自分は臨床心理士資格を持っていませんが、大学で心理系の科を卒業し、

  • 認定心理士資格は持っています
  • 精神病院勤務で精神保健福祉士は持っています
  • 相談業務に関わってきました

などを伝えた。

初めてのスクールカウンセラーの赴任ということもあって、相談業務をどうするべきかは、ある程度わかっておられるU先生だったが、どのように活用して良いか手探りな状況なのが新規採用スクールカウンセラーである自分からもよくわかった。

ベテラン養教U先生
ベテラン養教U先生

予算は多少あるので、必要なものがあったら言ってくださいね

U先生はそう自分に言ってくれた。

 

スクールカウンセラー 相談室

K中学校の相談室は元々古い校舎の玄関横の部屋だった。板張りで、一番奥の窓側に畳スペースがあった。板張りのところに長机とパイプ椅子がいくつかあり、カラの戸棚が1つある。そんな場所だった。

元々特別支援教室として使っていたスペースだったそうだ。校長先生も気さくな方で、いつも大きなクシャミをされ、それが学校中に響くぐらいの大きな音だったのを覚えている。

先生方は皆若くても50代半ば以上の先生ばかりで、明らかに自分が最年少の職員だった。

 相談室=ソファーセットというイメージを持っていた自分は、どこかしら休校になった学校のソファー等が余っていないか尋ねたが、なかなかそういったものが無く、長机にパイプ椅子の相談室で話を聞くことにした。

余談ではあるが、だいたい6年周期でスクールカウンセラーは勤務校が変わるのだが、K中学校のある島の地域での学校の統廃合があり、校舎の場所こそ変わったが、自分はなんと15年もの間K中学校のある地域に通うことになるのだった。

そして、念願のソファーセットがやってきたのも最後の2年間というのも、何とも言えないオチであると思う…。

 さて、そんなK中学校の勤務1年目に、まず自分は生徒たちと仲良くなることを始めた。病院勤めの経験から、患者さんとの関係を作れば自然と職員は自分の方を向いてくれると知っていたからだ。

生徒の名前と顔を覚えるために、相談室を休み時間に開放し、来た人には用意してもらった色鉛筆とバインダーに挟んだ用紙に名前を書いてもらうようにした。そして昼休みなどに女子生徒がよく相談室を訪れ、自分にこう言うのだった。

女子生徒
女子生徒

先生!この紙に何か描いていい?

 そう。女子生徒がほとんどだったが、自分が名前を書いてもらって覚えるために用意したバインダーと用紙は、瞬く間に生徒たちの落書き帳と化した。子どもたちは自分が思った以上に自由に絵などを描くことが好きだということを自分は学んだのだった。

 そんなK中学校の男子生徒たちはまた一味違った。体育の授業の後などに

男子生徒
男子生徒

たつとみぃ~!

と声がしたかと思うと、畳がある側の窓から次々と男子生徒が飛び込んできたのだった。しかも土足で・・・。

男子更衣室など無いK中学校では男子生徒は教室で着替えるのが通例であったが、挙句、相談室で着替える生徒も出てくる始末・・・。パンツ一丁でフラフラと歩きまわる生徒もいたし、

男子生徒
男子生徒

ちょっとタバコ吸ってくるわ~

なんて言う生徒もいたりした。

しかしながら、不思議と授業の時間になると教室に戻っていくのだった。

 授業時間中はよく学校内をウロウロ回り、授業をしている教室にもよくお邪魔した。おかげで生徒たちとは普通に顔見知りになり、月に何回かの勤務にも拘らず、K中学校にはなじむことが出来たとは思う。

ただ、子どもたちから敬語を使われたことは一度もなかったと記憶している…。

https://sensei.style/Japan/wp-content/uploads/2022/10/3EEDB0A0-5C8A-4E9E-BE7F-483423451946.png管理人

たつとみ先生、今回もお話ありがとうございます。養護教諭の先生に「何か心理の資格をお持ちですか?」と聞かれたら、ドキドキしますよね💦

でも、たつとみ先生のキャリアなら、この時点でもぜんぜんOKですよね

管理人も、国家資格である公認心理師資格試験にかろうじて合格しましたが、

名に恥じないように、研鑽を積まねばなぁ…と改めて思わされました。

まずは目の前の生徒たち

まず自分は生徒たちと仲良くなることを始めた。病院勤めの経験から、患者さんとの関係を作れば自然と職員は自分の方を向いてくれると知っていた

これ、すごく大切な視点だなと感じました。

教育現場で働く我々も、異動があります。職場での人間関係を構築するためには、たつとみ先生が仰るように、まずは目の前の子どもたちとの関係を築いていきたいものです。

瀬戸内の穏やかな島の、ちょっと荒れた中学校。

先生を呼び捨てにして、窓から侵入…

ちゃんとチャイムと共に教室に散っていく生徒たち

呼び捨てでも、たつとみ先生が慕われていたんだな…と感じる微笑ましいエピソードですね。

生徒たちのイメージは、

瀬戸内海に浮かぶ岡山の小さな島出身、お笑い芸人「◯鳥」の大◯さんですw

https://sensei.style/Japan/wp-content/uploads/2022/10/3EEDB0A0-5C8A-4E9E-BE7F-483423451946.png管理人からのお願い

たつとみ先生の希望で、連載記事の感想をいただけたらありがたいです

たつとみ先生に届きますので、温かいメッセージをお願いできれば

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コーヒーと文房具のイラストのヘッダーです 

たつとみ先生
たつとみ先生

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まだまだお話は続きます。

スクールカウンセラーとしての体験を紹介できて

感謝です