\40歳からの教員生活 通信で教員免許をめざすあなたに 小学校の先生から心理師の先生へ/

試験帰り→京都市美術館でモネ

せんせいをめざす素敵なあなたに

ラ・ジャポネーズ

筆者43歳

毎月のように、通信制大学の教員免許課程の

試験を受けていたころ

駅の広告で見かけた、「ラ・ジャポネーズ」

赤い着物に目を奪われ、遠い記憶がよみがえる。

クロード・モネ「ラ・ジャポネーズ(着物をまとうカミーユ・モネ)」 記念の絵葉書(私物)

芸術の選択科目

筆者15歳

高校では芸術系の実技科目を3科目から選択した。

美術、音楽、書写の中から選ぶ。

(現在の高校生も同じらしい。

長男は美術、娘は音楽、次男は書写)

ピアノをかじっていて吹奏楽をやっていたので

音楽にしようかと迷ったが、

違う科目もやってみたくなり、美術を選択した。

年賀状

高校1年生の冬休みに「年賀状を描いて美術の先生に送る」という課題が出された。

自宅になぜか、大判の「日本美術図鑑」(だったと思う)なる世界の名画の載った図鑑があり、

暇なときにめくって眺めていたものだった。

青い目の金髪の女性が、派手な着物をまとって扇子をかざしている絵が浮かんだ。

https://sensei.style/Japan/wp-content/uploads/2021/05/39F1BDC9-C67D-48E0-B6B8-A1C62405765B.png高校生の筆者

外国の女性が着物を着てるなんて面白いし、

着物って年賀状にぴったりかも…

あの図鑑を見て年賀状を描こう!

冬休みの勉強もそこそこに(笑)

年末なのに座敷にこもり、図鑑と画材を広げた。

小さな年賀状に下書きをしたあと、細筆でちまちまと着物を描いていった。

この着物は、刺繍の部分が特に盛り上がったように繊細に描かれているのに目をひかれる。

提出する年賀状も、絵の具を濃いめに溶いて着物の刺繍の部分を丁寧に模した。

毎年12月28日恒例の餅つきが済むと、

餅花(もちばな)と呼ばれる、紅白に色付けした餅で作った正月飾りが座敷の四隅に飾られた。

餅花の下でようやく年賀状が完成し、

顧問の先生あてに慌てて投函しに走った。

金紙

歳が明けた3学期。

休み時間、友達と話していると

https://sensei.style/Japan/wp-content/uploads/2021/05/128ACBE2-8694-45AD-84DF-5BD4895C7705.png同級生

職員室の前の年賀状、なんか金紙が貼ってたよ!

なになに?

職員室前の廊下に行ってみると

壁にずらりと並んだたくさんの年賀状の右上の端に、着物の外国人の絵があって

その年賀状に金色の小さな紙が貼ってあった。

https://sensei.style/Japan/wp-content/uploads/2021/05/39F1BDC9-C67D-48E0-B6B8-A1C62405765B.png高校生の筆者

わたしの描いた絵だ…

どうやら、校内の賀状展で1位になったらしい。

入部のすすめ

https://sensei.style/Japan/wp-content/uploads/2021/05/EC203A31-04DC-4AA7-9B18-6D725FC9E603.png美術の顧問

細かいところまで丁寧に描けてたね!

あの絵を年賀状に選んだのもいいね。

ところで、なんであの絵を知ってたんだい?

https://sensei.style/Japan/wp-content/uploads/2021/05/39F1BDC9-C67D-48E0-B6B8-A1C62405765B.png高校生の筆者

家に、「日本美術図鑑」という本があって…

https://sensei.style/Japan/wp-content/uploads/2021/05/EC203A31-04DC-4AA7-9B18-6D725FC9E603.png美術の顧問

なるほど、よく知ってるなぁと思ったんだ。

いい本があるね!

ぜひ美術部に入って!

というわけで、高校1年生の3学期から美術部にも籍を置くことになった。

その後、キャンバスを前にしてもたいした絵は描けなかったが、

白い彫刻を見てデッサンをしたり、

風景を描くお泊まり合宿をしたり、

新鮮な経験だった。

本物を観たい

筆者43歳

幼稚園教諭課程の科目試験が終わると、

甘酸っぱい思い出を胸に、バスを乗り継いだ。

図鑑で観ていたあの絵を、大きな作品で観たい!

京都市京セラ美術館(旧 京都市美術館)

https://kyotocity-kyocera.museum/

コロナ禍の影響でGWは閉館していました。開館日は要確認

ボストン美術館 華麗なるジャポニズム展(既に終了)

https://www.museum.or.jp/event/82851

あの名画に出会える!と

会場を奥まで急いて(せいて)行くと、

角を曲がった正面に

ひときわ大きな額に入れられた

「ラ・ジャポネーズ」

30年の時を経て、目の前に現れたあの女性の絵に、

思わず身震いがした。

間近で見てみると、

髭をたくわえた男性の隆々とした腕の感じ、

着物の裾が大きく広がって輝いている感じ、

錦糸のキラキラした刺繍、

色とりどりの団扇は

左上から右下に流れるように配置してある構成。

着物の柄の男性の丁寧な描き方に対して、

金髪の女性はラフに描いているので

着物の柄により注目したくなる作者の意図を感じる。

時間を忘れるほど、作品を隅々まで観た。

美術館・博物館のいいところ

・事前にチケット予約がなくても観に行ける(観覧のために並ぶことはほぼない)

・開館時間に幅があり(10時頃〜16時頃まで)前の予定が押していても、入館の余裕がある

・会場は静かなので、ゆっくりした時間の流れを味わえる

・千円前後で、1〜2時間じっくり楽しめる

・観覧記念の買い物も楽しみ

記念品

筆者43歳

ラ・ジャポネーズ展 絵葉書とペン

観覧記念に購入した絵葉書とペン。

大切に取ってあった。

思えば、印象派が好きなのは

10代の頃までさかのぼるのかもしれない。

母親になり、自宅に遊びに来たママ友が

壁に飾っていた、同じクロード・モネの

睡蓮の絵葉書を見て、

https://sensei.style/Japan/wp-content/uploads/2021/05/9F74B85F-12A2-412B-8868-3EBB28E6F4B8.pngママ友

モネ、好きなの?

https://sensei.style/Japan/wp-content/uploads/2021/04/94CC7F42-A121-436E-A7F5-2E5AFDCBD687.png筆者

ルノアールも好きだよ!

と盛り上がった。

同じように印象派の好きなその彼女に、

記念品コーナーで印象派の名画カレンダーを

買って帰ると、とても喜んでくれた。

大学の帰りに

本学と呼ばれる佛教大学の紫野キャンパスまで

試験やスクーリングで足を運んだ帰り、

たびたび美術館や博物館を利用している。

歴史ある美術品を堪能し、薄暗い館内を抜けて

灯りが漏れて来る出口を頼りに外へ出ると

「下界」に降りてきたような錯覚すら覚えるのだ。

ほのかな灯りと、足音だけが聞こえる静寂の中で

絵画や美術品を眺めていると、遠い記憶も呼び起こしてくれるのである。

〜がんばるあなたを応援しています

いつもありがとうございます♪