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スクールカウンセラー(23)SCから家庭教師へ たつとみ先生

スクールカウンセラー

素敵なせんせいをめざすあなたに

Ⅼさんシリーズ 第5回

たつとみ先生が小1から高校生まで10年以上かかわったLさん。シリーズ第5回です。

管理人
管理人

管理人が公認心理師資格対策講座でお世話になった心理系予備校プロロゴス。

そちらで知り合った 公認心理師の先輩であるたつとみ先生。

スクールカウンセラーとして活躍されているたつとみ先生に、経緯や体験を連載していただいています。

類似した事例に関わってはいますが、内容はフィクションです。

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前回のお話はこちら⬇️

スクールカウンセラー(22)Lさんの成長と変化 たつとみ先生

スクールカウンセラー 入学から卒業まで見守る

Lさんは6年生になった。

基本的にスクールカウンセラーの公立小学校への勤務が2年ごとであるため、Y小学校への勤務は前年度で区切れると思われていたが、連続3年目(都合5年目)に突入した。

結果として、Lさんに関わるケースとしては、小学6年間1人のSCが通して関わっていくという珍しいケースとなった。


 お母さん自身、SCの継続を大変喜んでいただけたのは、こちらとしても嬉しいことであった。


Lさんについては、人の言葉を鵜呑みにするところがあり、将来的にも心配であり、中学校に向けて再検査をして、現状把握をすることになった。
 またLさんは昔と比べて、小さい子と話をするのに目線を合わせて話せるようになったことが進歩だとお母さんが話されていた。

バトンを習いに行っていた際の、憧れていた昨年高校2年生だったお姉さんの真似をしているのかもしれない。

受験のためにそのお姉さんがバトンの団体からいなくなってしまったときにLさんもさすがに泣いてしまったが、
もしそのお姉さんがいたら、Lさん自身がずっと頼っていたかもしれないと話していたとのこと。

お母さんはLさんからその話を聞いて、前任の養護のT先生の転勤の際に、T先生がいたらずっと保健室に居たかもしれないと話していたのと同じだと感じたとのことだった。

そうしたLさんの進歩が最近は感じられると話される。

スクールカウンセラー 面接は主に母親


 6年になり、担任は男性のY先生になる。

Y小学校は2年目になり、九州出身でたまに九州弁で学校中に聞こえるぐらい怒鳴っておられることもある先生であるが、Lさんのような発達的な課題のある子に対する理解もあり、SCとも連携がとれている先生である。

九州出身の担任Y先生
九州出身の担任Y先生

ほんなこつ、反省しとっとかー!

お母さん自身、毎年度ごとのクラス替えを心配されていたことがあったが、6年生になる本年度は、Lさん自身の周囲の子の心配をするなど、Lさんと共にお母さんも安定してきているように感じられた。


小学校時を振り返ると、面接は主にお母さんとの面接であり、Lさん自身と実際に話をしたのは6年間で3回程度であった。

しかしながら、お母さんはLさんのことでSCとの面接に学校へ赴くことやどういった話をしたのか、またLさん自身の悩みや疑問等もSCとの面談の中で質問され、それを必ず家庭の中でフィードバックされていたこともあり、Lさんの中でSCの認識を十分に持っている状態であった。

6年時の最後の面接においては、Lさんがお母さんと共に面接に来る予定であったが、Lさんがインフルエンザを発症し、

小学校での本人の疑問(内容的には主に合わない先生に対する愚痴のようなもの)が手紙でSC宛てに届けられ、お母さんに返答し持ち返ってもらったということもあった。

スクールカウンセラ― 家庭教師になる!


 お母さんとしては、中学校に進学するにあたり、6年間の経緯をよく知っているSCとの面接機会が無くなることを終盤は危惧されていたが、

どこからかSCが個人事業として訪問カウンセリング兼家庭教師業を行っていることを調べて来られ、Lさんに確認後、是非ともLさんにもお願いしたいとのことで、小学校卒業と同時に週1回のペースでご家庭に伺うこととなる。


 ご両親としては、家庭教師というよりは、

Ⅼさんの母親
Ⅼさんの母親

新しい環境における娘Lのストレスを、カウンセリングを受けることによって軽減することを主に置いて考えています

といったスタートであった。

スクールカウンセラ― 多重関係の心配は

たつとみ先生
たつとみ先生

※注;ご家庭に個人的にお伺いするようになったことは多重関係に触れそうですが…

  • ①SCから勧誘したわけではなく、ご家族がどちらからか個人事業を見つけてこられ、本人納得の上でご両親からお願いされたということ
  • ②SCとして、学校の関わりが無くなった状況からご家庭に訪問することが開始されたこと

等から、触れないものであると認識しており、加えてこのLさんのケースをSCの研修内容としてSVと関わる中でご家族ご了承の上でケース発表したこともあり、全体的に周知された状態での家庭訪問である。

スクールカウンセラ― こたつの横で家庭教師

中学生になったLさん宅に初めて訪問させて頂いた際に、面白かったのが、Lさんに勉強を教える場所はリビングにある2人用のダイニングテーブルだった。

その隣にはこたつ机が置かれ、家庭教師中に帰ってこられたお父さんとお母さんが横でご飯を食べながら、の横で勉強を教えるという、少し面白いスタイルであった。

SC(たつとみ先生)自身、個別指導の塾講師をしていたこともあり、その際に周囲の子を巻き込んで質問したり、勉強したりというスタイルに慣れていたこともあり、たまにLさんのお父さんやお母さんを巻き込んで勉強を教えることもあった。
 

こうしてLさんの中学校生活がスタートしたのであった。

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https://sensei.style/Japan/wp-content/uploads/2021/08/C7D8F7D4-C495-4939-8528-F0FC53808EBB.jpeg管理人

いつも心温まるお話をありがとうございます。

入学から卒業まで、(しかも、中学も続いて家庭教師まで)

同じお子さんの成長を見守ることができるなんて。
教員もまず6年間持ち上がることはありませんし。(同じ学校にいれば、その子の姿は見ることができますが)
達富先生にとっても、非常に印象深いお子さんだったんだと感じました。

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お母さんは

小さい子と話をするのに目線を合わせて話せるようになったことが進歩」だと気が付かれています。

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また、「バトンのお姉さんがいたら、Lさん自身がずっと頼っていたかもしれない

前任の養護のT先生がいたらずっと保健室に居たかもしれないと話していたのと同じだと感じた

と分析されていますね。

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お母さん自身も、SCのたつとみ先生との丁寧なカウンセリングを通して、母親として成長される力が身についたのではのではないかなと思わされました。

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たつとみ先生がカウンセリング兼家庭教師として継続してかかわりが持てて、さぞお母さんも娘さんもうれしかったことでしょう。母子へのあたたかい眼差しを向けておられる所以ですね。

https://sensei.style/Japan/wp-content/uploads/2021/08/C7D8F7D4-C495-4939-8528-F0FC53808EBB.jpeg管理人

SCの多重関係について

SCとしてかかわっているなら、今回のような事例はありそうだな、と思わされました。

SVスーパーバイザーさんがお見えになるような会でケースして発表して了承されているとのこと。

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今後SCと家庭教師を兼業される方にも朗報かと感じました。

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〇SCと保護者の面談について

6年間もかかわっておられながら、実は本人とは3回だけの面談と聞き、非常に驚きました。

保護者の方が毎回フィードバックをされ、お子さんからの質問を伝えておられたからですね。

保護者さんとSCとのしっかりした信頼関係が、お子さんの成長を支えるのだなと改めて感じました。

https://sensei.style/Japan/wp-content/uploads/2021/08/C7D8F7D4-C495-4939-8528-F0FC53808EBB.jpeg管理人からお願い

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たつとみ先生
たつとみ先生

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