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通信で教員免許を取得した3児ママの話 幼稚園教諭編

― 夢をあきらめた日から、もう一度動き出すまで ―

※本記事は、佛教大学通信教育課程で学んでいた当時、通信学生向け冊子「佛大通信」に掲載された手記をもとに構成しています。


夢を否定された高校時代

「幼稚園の免許取ったって、先生になんかなれへんで!やめとき!」

母に一蹴されたのは、進路相談を控えた高校2年生の頃だった。ピアノを弾きながら、子ども達と歌えたら楽しいだろうな、とほのかに描いていた「幼稚園の先生」の夢は、あえなく崩れ去った。


親の期待に応える進路選択

両親は忙しく、親身に相談できるような環境ではなかった。幼稚園教諭に代わる目標も浮かばないまま普通に進学し、地元の銀行に何とか拾ってもらった。両親は大いに喜んだ。

勤務はハードで毎晩帰りも遅く、大変だった。「何でここで働いているんだろう…もっと他にできることがあったんじゃないか…」そして気が付いた。「両親の喜ぶ顔が見たくて、喜ぶような職に就いたんだ」と。愛されたいと思う、気の小さい娘の、消極的な選択だった。


結婚・子育てと孤立

結婚し、銀行を退職。二男一女に恵まれた。幼子三人の子育ては目まぐるしかったが、忙しい母には手助けを頼めなかった。わが子達と自宅に籠もりきりになり、「密室育児とはこのことか…」と息詰まっていた。

地域で始まりつつあった子育て支援の方々に、随分お世話になった。知り合ったママ友から育児サークルを引き継ぎ、活動の輪を広げていった。母親としてのわたしや子ども達を育ててくれた地域に、ご恩返しがしたくなった。


もう一度芽生えた「先生になりたい」

「子どもにかかわる仕事がしたい」

一度は諦めた幼稚園教諭の夢が、むくむくと湧き上がっていた。


通信で免許取得という選択

佛教大学なら通信教育課程で免許がとれると聞き、早速大学からパンフレットを取り寄せた。育児に

従事する専業主婦に、その学費は高額に感じた。目先を変えて、保育士資格を通信で取るのはどうだろう。
「ユーキャン」を受講、末子が幼稚園に登園している間に勉強し、数か月後、保育士資格に合格した。


現場との出会い

当時、子育て支援のボランティアをしていた。保育士資格を取得した2か月後、その主催者から電話があった。
「幼稚園の特別支援担当講師として、来て欲しい。」支援が必要な園児のサポートをする仕事だという。

末子が小学校に入学する春だった。幼稚園で働く夢を一蹴されてから23年。40歳になっていた。
これは夢じゃない?初出勤の朝、ありがたくて涙が止まらなかった。


もう一度、免許取得へ

初めての教育現場は戸惑うことも多かったが、園庭で駆け回る子ども達を見ていると、「こういう仕事がしたかったんだな」と、温かい気持ちに包まれていた。保育士資格があるから採用の声が掛かったが、幼稚園で働いているなら、やはり幼稚園教諭の免許が欲しい。

再び、大学からパンフレットを取り寄せた。幼稚園講師としての収入がある今なら、学費も何とかなるかも。毎月、収入を少しずつ学費として積み立て、2年後、幼稚園教諭免許の課程本科に入学した。
何度も諦めていた「幼稚園教諭」の夢が近づいて、学生証が届いた時は本当に嬉しかった。


学びの壁と支え

山ほどの教科書が送られてきた。仕事をしながらこんなに勉強できるかな…。レポートの書き方も良く分からない。
勉強を始めて間もない頃、とりあえず作ってみたレポートに自信がなく、思い切って地域の学習室のドアを叩き、学習サポーターの方に見て頂いた。

すると「あれ?レポートの枚数が多い?」
1科目3200字の指定が多いが、1枚400字詰め原稿用紙なら8枚だと思い、佛大指定のレポートは1枚800字なのに8枚必要だと勘違いしていた。計6400字も作成していた。
初歩的なミス。そのまま提出していたら、字数も2倍、間違いなくC評価で不合格である。初めて挑戦したレポートで、仮に再提出になっていたら、その後の学習意欲をなくしていたかも…。

あの時、教えて頂いたサポーターの方には感謝している。その後も、疑問などがあると、学習室に足を運ぶようになった。


特例制度との出会い

課程本科の2年間のうちに、他の幼稚園や教育実習に行かなければならず、3週間も継続した休みを取るのは、勤務の園に申し訳ない。一旦園の仕事を辞めるか。実習が済むまでの期間、収入が途絶えるのは厳しい。2年間で単位を全て履修できる自信もなくなっていた。

悩んでいた頃、園の研修で「保育士と幼稚園教諭、両方を持った先生を増やすために、『特例制度』が始まります」と耳にした。どちらかの資格・免許を持った実務経験(4320時間以上)を生かし、教育実習に行かなくてもよく、取得単位も数科目に済むという。

今ではあちこちの大学や専門学校で開講している特例制度の講座だが、その制度を聞いた当初は、開講先が分からなかった。県教委に問い合わせると、奇しくも「次の春から佛教大学で開講します」と紹介された。「渡りに船」とはこのことか。課程本科に取り組んでいた単位も生かすことができた。


免許取得、そして家族の変化

特例制度の科目履修コースに切り替えることで、単位も学費も少なくて済み本当に有難かった。無事に幼稚園教諭免許を取得し、勤務の園も喜んでくれた。反対していた両親もお祝いしてくれた。


まとめ

幼稚園の先生になりたいという夢を一度は手放し、
結婚・子育てを経て、もう一度その想いに向き合いました。

通信で資格を取り、現場に入り、
そこからもう一度「免許を取りたい」と思えたこと。

そして、特例制度という道に出会い、
現実的に免許取得へと進むことができました。

遠回りに見えても、すべてがつながっていたと感じています。


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