素敵なせんせいをめざすあなたに
筆者43歳-45歳
初めての試験監督
学校で初めて行われた漢字検定の試験監督のボランティア。
筆者は6級、7級の担当になった。
6級の教室は既に試験仕様になっていた。
隣同士を少しずつ離して置かれた机が、広く並んでいる。
漢字の書かれた掲示物という掲示物には、無地の大きな紙が貼られていた。
教室は漢字の書いたものばかりなので、教室中白い紙だらけだった。
黒板にひらがなで、10名ほど机を示す四角を描き、一つずつ受験者の名前を書いておく。
9時半を回ると、受検者が続々とやってきた。
‥(あっ!◯◯君のお母さんだ!)
声には出さないが、息子の同級生が気づいて驚いた表情をみせた。
別の児童はじーっとこちらの顔を見ている。
「この人、誰のお母さんだったっけ」と考えているのだろうか。
自分の名前の席に座って、静かに待ちます。
トイレに行きたい人は、今のうちに済ませておきます。
素知らぬふりをして、淡々としたトーンで話す。試験監督だから(笑)
しかも、試験監督本人は漢字検定2級を近年合格していたから引け目なく座っていられる(笑)
久しぶりに見かけた、息子の同級生の女子は、少しお姉さんになっていた。
試験監督の落ち着いてはっきりとした口調に、テストらしさを増したのか、同級生たちは普段見せない表情で静かに試験の開始を待っていた。
放送のチャイムが聞こえて来た。
漢字検定を受検するみなさん、そろそろ10時になります。席に着きましょう。
それぞれの教室の時計が10時になったら始まります。
開始の合図を告げると、子どもたちは鉛筆を走らせる。
試験開始
鉛筆の音だけが響く教室。
分からない問題があるのか、眉をしかめて考えてみたり、消しゴムで消したりを繰り返していた。
…答えを一生懸命考えてる子どもたちって
か、可愛いすぎ‥! 特に真剣な表情はいいな
遊んでいる時や登下校時のリラックスしている顔しか知らなかった、同級生たち。
勉強に向かう真剣な表情が普段とはギャップで、思いがけなくノックアウトされる。
思い出す
この子たち、学校の勉強とは別に漢字検定の勉強を家でしてきたんだよね。感心だなあ。
がんばってる子どもたちとの関わりを将来やってみたいな‥
将来の夢は「小学校か幼稚園の先生」だったんだよね…
机間巡視で子どもたちの間をゆっくりと歩きながら、そんなことを考えていた。
職場のバス旅行で
筆者24歳
かつて金融機関で働いていた頃、慰安旅行のバスの中の出し物に使うアンケートが配られた。
事前にアンケートで色々な質問を聞いておき、クイズ担当が発表し、誰かを当てるゲームだ。
ここで働いていなかったら、
なりたかった職業は…
小学校か幼稚園の先生
書き終えると、胸がチクチクと痛んだ。
…そう、本当は先生になりたかったんだ‥
小学校か幼稚園の先生になりたかった人は誰でしょうか?
正解は‥○○さんです!
旅行先は全く思い出せないが(笑)、
アンケートとバスの中の発表は鮮明に覚えている。印象深かったのだろう。
やりたいことの近くで
アンケートから15年後、通信で資格や免許をとりすでに幼稚園の先生として働いていたが、
試験監督から4年後、小免をとって小学校の先生としてスタートすることになる。
学校で働くようになって思い返すと、この試験監督の経験の心地よさが、やりたかったことを思い出させてくれたように思うのだ。
やりたいことの近くで、
新しい経験をしてみるのは
本来の目的を思い出すために大切だと感じる。
〜がんばるあなたを応援しています
いつもありがとうございます♪