筆者39歳
筆記試験1日め
学科試験は2日間。計10科目なので、1日5科目ずつ行われた(当時)
現在は9科目
保育原理
教育原理及び社会的養護
児童家庭福祉
社会福祉
保育の心理学
子どもの保健
子どもの食と栄養
保育実習理論
筆記試験はマークシート形式、100点満点のうち60点(6割)以上で合格
「教育原理および社会的養護」は各分野50点満点、各分野それぞれ30点以上で合格
計8科目全てを3年以内に合格すると、実技試験に進むことができる
試験会場の入口で胸が傷む
試験会場は電車で小一時間ほど行った私立大学だ。
3児の母となり、十数年ぶりに「大学」の門をくぐる。こんな形で大学に行くことになるとは、何ともふしぎな感覚だった。
幼児教育学科をもっている大学だったので、保育関連の掲示板もみられた。
「高校を出たとき、初めから教育学部に行きたかったな…」と、胸がきゅっと傷む。
教育学部に行きたかった思いは、これまでに何度も繰り返している。
やっとここまでこぎ着けたんだ。
振り返っても仕方がない。もう前を向いて歩きだしている。目の前の試験に集中しよう。
勉強期間が短くて手が回らない
この日まで、ペンをもつ手が震えるほど猛勉強したとはいえ、勉強を開始したのがGW明けと遅く、5月から8月上旬まで、3ヶ月少ししか取り組めなかった。
1日目の最初の科目、(当時)社会福祉系の科目に関しては手が回らず、テキストの問題を解くこともできていなかった。
合格した科目は3年間有効なので、2年や3年に分けて全科目の合格をめざしていた友人達がいたので、こちらも確実に合格を増やしていく予定だった。
「問題が解けなくても落ち込まないでね、翌年の試験があるからね」とアドバイスをもらって挑んだ1科目め。
ギフト
社会福祉系の問題はなんと、今までかかわっていた子育て支援に関する問題だった。
社会福祉の問題は手が回らなかったので、来年以降に受験するつもりで、
ユーキャンのその単元の問題集は開けてすらなかったのだ。
解いたことのない問題であるのに、自分の知識の中から答えが出せてすらすらとペンが進んだのだ。
「あぁ、これはかみさまからのギフトだ」
1科目めで思いがけなく良いリズムをつかみ、そのあとの教科は自信をもって取り組めた。
大切な日のカツサンド
大好きなパン屋さんが近所にある。
保育士資格試験当日、験(げん)を担いで、そこのカツサンドを注文してきた。
1日めは、午後からの試験が気になって、十分に食べられなかった。
カツサンドは、その後も大切な日に登場する。
カツサンドを見ると、あの日の決意を思い出して、衿を正したくなる。