筆者 39歳
試験2日め
1科目めで、まさかのプレゼントをもらったとはいえ、そのあとの9科目も必死だった。
暗記しているはずのワードを、自分の引き出しから開けて当てはめていく。
小児栄養(現在は子どもの栄養)の教科は計算問題で、計算ミスにならないように慎重だった。
2科目有って両方とも一定の基準を満たさねばならない、という組み合わせが2セットも有った。
現在も「こどものー養護原理」についての科目は2科目で1つの合格扱いである。
1年に1度のチャンスだと思うと緊張し、インプットした知識を文字に起こしていく作業は非常に体力を奪った。
全科目を終えると、抜け殻のようになった。
6%
3人の子どもが通った幼稚園の最後の運動会が終わり、しばらく経った10月の中旬。
ポストに葉書が届いていた。
「全科目合格」
玄関先で思わず声を上げた。
保育士資格に挑戦している知人の何人かは、2年、3年かかって学科試験に通っていたので、
まさか1年目で筆記試験が全部通るとは思わなかったのだ。
筆者が勉強しているとき、弟妹のビニールプールでの遊びに付き合ってくれた長男、一緒に喜んでくれた娘、次男、
仕事が休みの日は、子どもと遊んだり家事をしてくれたりした夫、
家族を呼んで、ホントにありがとうね!と、抱きしめた。
実技試験
以下の3科目から2科目を選んで受験
✅音楽表現…ピアノなどの鍵盤楽器か、ギターで、既定の2曲を弾き歌い
保育士資格・実技試験ー音楽表現(弾き歌い)✅言語表現…童話などを、子どもたちが前にいるように読み聞かせ
保育士資格・実技試験 言語表現(語り)造形表現…提示された題の絵画を、規定時間内に描き上げる
1年目で全科目合格、つまり一発合格する確率は6%だと、後日、同僚となる先生に聞いた。
こうして、遠い昔に置いてきた夢を、階段を昇るように1つずつ叶えていくのである。