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わが子の通う幼稚園での読み聞かせ 2

素敵なせんせいをめざすあなたに

筆者37歳

しょうぼうじどうしゃ じぷた

かつて長男が好きだった絵本を、読み聞かせの題材に選んだことがある。

「しょうぼうじどうしゃ じぷた」 

福音館書店 渡辺茂男 作 山本忠敬 絵 

初版は1963年という、今から50数年前に発行されたロングセラーである。

「じぷた」は、町の消防署にいる、ジープを改良した小さな消防車だ。

力の強い大きな消防車や、長いはしごを持つはしご車、足の速い救急車に憧れている。

ある日、山火事が起き、大きな消防車やはしご車は細い山道を入ることができなかった。

そこで「じぷた」が登場し、険しい山道をかけ登って、燃え上がる炎を消し止める。

新聞の取材を受け、写真が載り、たちまち「じぷた」は町の人気者になった。

「しょうぼうじどうしゃ じぷた イラスト」の画像検索結果

早生まれであり、体の小さかった長男。1つ下の学年に間違われることも多く、随分と気をもんだ。

栄養が足りなかったのか、体を動かす公園遊びが不十分だったのか、とわが身を責め、

栄養相談にもかかったり、全身運動に良いと聞き、水泳も始めたりした。

「ちびっこでも、すごく性能がいいんだぞ!」

この絵本の最後の1文に救われた思いだった。

じぷたをわが子に投影し、小兵でも‘’性能のいい‘’子どもに育って欲しいと願ったものだ。

大好きな本を読み聞かせに使う

長男を育てていた街から今の家に引っ越すとき、ママ友達からじぷたの絵本をプレゼントされていて、本棚で大切に並んでいたのである。

この絵本を読み聞かせする前に、消防車や救急車のミニカーを持参。

https://sensei.style/Japan/wp-content/uploads/2020/02/FB28A0EC-816A-45BA-8D28-F877B850F454.png筆者

これは何の車かな?

と、園児たちに呼び掛け、大いに盛り上がった。

https://sensei.style/Japan/wp-content/uploads/2020/02/FB28A0EC-816A-45BA-8D28-F877B850F454.png筆者

では今から、消防車がでてくる大好きな絵本を読みますね

いつも以上に、子ども達がしっかり聞いてくれていたように思う。

その日お迎えに行くと、幼稚園の先生が

https://sensei.style/Japan/wp-content/uploads/2020/01/girl_19.png幼稚園の先生

今日お母さんが絵本の読み聞かせの前にミニカーを見せて話してくださったのは、

『導入』と言って本題に移す前に大切なんです。

お母さん、導入もとっても上手ですね!

「導入っていうのか」その教育用語を初めて知った。

本職の先生にお褒めの言葉をいただいたのは、すごくうれしかった。

https://sensei.style/Japan/wp-content/uploads/2021/04/688A2A76-68B8-4309-B258-3753F2E5D44C.png筆者 追記

その後、保育士資格や幼稚園免許の勉強をしていくことや、幼稚園の先生を続けていく上でも、大変励みになった。

「先生」の言葉というものは、すごく響く。

筆者がめざしている職業の人でもあったからだが、

受け手が子どもならなおさら、

大人であり教師である自分の言動はプラスのものを発信したいと改めて感じた。

じぷたの絵本をプレゼントされて19年。

じぷたの絵本を読み聞かせして12年。

小さかった長男は人並みに育ち、今年大学を卒業して

奇しくも、消防車の会社に就職する。

この記事を書いているとき、じぷたの絵本のことを思いだし、身震いがした。本棚からじぷたの絵本を引っ張り出して長男に見せた。

本人にじぷたの絵本のことを話すと、遠い記憶のようだったが、ストーリーは覚えていた。

就職活動をしている時、「『消防車』がどうも気になる」と言っていた長男。

ルーツはこの辺りに有ったのかもしれない。

消防車の会社とのご縁、とはふしぎである。

自分の与えられたポジションで任務を全うし、みんなに愛される「じぷた」のようになって欲しいものだ。

(息子がお世話になります。

どうぞよろしくお願いいたします)