\40歳からの教員生活 通信で教員免許をめざすあなたに 小学校の先生から心理師の先生へ/

契約更新はあるのか〜幼稚園講師編

せんせいをめざすあなたへ

幼稚園勤務1園目

筆者40歳-42歳

保育士資格しかもっていなかったが、幼稚園からの依頼を受けて特別支援講師として働いていた。

年度末になると、来年度更新するかどうかの調査用紙が渡される‥はずだが、

当時幼稚園免許をもっていなかった筆者や、「支援員」という名の、免許をもたない講師にはその用紙を渡されることはなかった。

(幼保一元化が進んだ現在は、幼稚園でも保育士資格があれば有資格者として幼稚園教諭をもつ講師と同等の扱いになった)

講師は幼稚園教諭免許のあるものから希望を取り、あくまでも講師が足りない枠に園側が独自で声を掛けて補充していく。

保育士資格があっても、教員免許がないために、講師枠が空くのを3月まで待たねばならなかった。1月早々に調査用紙をもらえる同僚の講師を羨ましく思ったものだ。

当時働いていた園で欠員があり、免許も資格もないが子育て経験者の「支援員」の講師の方が中途採用された。

幼稚園教諭免許のない講師が、その園では筆者とその方の2人になった。

https://sensei.style/Japan/wp-content/uploads/2020/08/woman_68-1-e1598143136562.png園長

免許のない講師さんの枠が、うちの園であと1つなのは知ってるわよね。

「支援員」の先生がどうしてもここの園じゃないと嫌だっていうの。

近くの〇幼稚園が講師を探しているから、

申し訳ないんだけど、先生が〇幼稚園に移ってくれない?

えっ?!後から来てまだ半年なのにここから変わりたくないなんて…ゴネたもん勝ちなの?

こっちは保育士資格もって働いてるのに‥

正規の職員なら異動命令には従わねばなるまいが、

身分は保証され雇用を切られることはないし、給与も講師より上である。公立の場合は退職金も年金もある。

ある程度、希望を伝えられるのは講師の”光”ともいえるだろう。

その反面、雇用の不安定さが講師の”陰”といえるかもしれない。

モヤモヤした気持ちでいたが、もう流れに任せようと気持ちを切り替えた。

免許があったら、こんな扱いは受けないのに。

自分の存在価値ってなんだろう。

免許を取得しようとする、大きな原動力のひとつだった。

幼稚園勤務2園目

筆者43歳-44歳

○郵便局

初出勤してみると、職員の通用門の隣に小さな赤い郵便局の建物が見えて、びっくりした。

幼稚園教諭の通信教育課程を始めていて、当時は郵送で毎月レポートを提出していた。

園児が降園した後、「ちょっと郵便局に出させてもらいます」と通用門から出て、レポートの提出もスムーズだった。

教育委員会への免許の申請も郵送だったので、速達にしたり書留にしたりと郵便局にはよく足を運んだ。

隣が郵便局なのは本当にありがたかった。

「ここでがんばりなさいね」

教員免許をとることを応援されているようだった。

異動した園は2園目になり、新人ではなく経験者として扱われたので、頼られることも多くなった。

規模の大きな園だったので、さまざまな行事もあり新鮮だった。

人間関係も広がりいい出会いもあった。教員としての経験もより深まったように思う。

職員会議

〇息子と出勤

当時高校生だった長男の高校のそばに〇幼稚園があり、奇しくも登校時間と朝の出勤時間がほぼ同じだった。

志望校に合格したものの、教科書や問題集のぎっしり詰まったリュックを担いで、部活の着替えを抱え、駅から遠い高校までの道のりは辛かったようだ。

追い込まれていた高1の長男の表情は沈みがちだった。

本来なら通学は駅から徒歩か、自宅から自転車である。

高2に上がった時、重い荷物を背負うと母の車の後部座席に同乗して登校するようになり、高校から少し離れた曲がり角で降りて校門まで歩いた。(高校の先生方に怒られそうだ)

朝、何気ない会話をするだけで、心がほぐれたのだろうか。

表情も晴れてくるようになり部活以外にも友人ができ、何とか登校の後押しになったと思う。

高2と高3の2年間、朝は母の車で通学し、帰りは友人たちと帰宅。

センター試験を同級生たちと受験、そして無事に卒業式を迎え、大学へ進学することができた。

高校に通えていなければ、その後の進路も見通しが持ちにくかった。

日ごろ頼みごとをして来ない長男が、高校の卒業証書を額に入れておいて欲しいとつぶやいた。

自らそんなことを頼むなんて、卒業できた喜びもひとしおだったのだろう。

不思議なもので、高校卒業と同時に辞令がでて〇幼稚園から他園へ異動した。

結果的に〇幼稚園への異動は、わたしたち家族には好都合だったのだ。

かみさまからのプレゼントだったようにも感じている。

この幼稚園に在籍の間に、幼稚園教諭免許を取得した。

翌年の1月には、次年度更新の調査用紙を手にすることができた。

この用紙を手にしたとき、免許をとって本当に良かったと喜びを噛みしめた。

来年の雇用があるのかどうか、もうヤキモキして待たなくてもいい。

もし、理不尽にもとれる異動を命じられたら、「これはきっと好都合になる」と切り替えてほしい。

もし、教員免許や保育士資格をもたずに教育機関などで働いているならば、

ぜひ免許や資格をとることを検討してほしい

時給が上がるのももちろんうれしいが、

雇用が優先される、存在を軽く扱われないという利点も大きい。

「働き続けることは、必要とされていることを感じ続けること」

でもあるのではないか。

優先的に雇用されたら、自分の存在価値をより自分で認めることもできる。

大義の意味で見れば、保育士資格や教員免許をもった人が増えることで、保育士不足や教員不足を解消する大河の一滴になるだろう。

~がんばるあなたを応援していますそ

いつもありがとうございます♪