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保育体験に来る中高生たち の記事一覧
https://sensei.style/Japan/category/youchien/youchien-shigoto/
高1の保育体験
働いていた幼稚園の徒歩圏内に県立高校があり、こちらも家庭の授業の一環として、高校1年生が保育体験に来ていた。
前出の中2・中3生は、園児のクラスに各2人ずつ来ていたので、多くても各園に10人程度までだ。
体操服姿の高校生たちは、1つの組の40人が園までぞろぞろと行列でやって来る。
中学生よりもさらに体格のいい高校生が、園児のいる保育室に各6、7人ずつ入ってきた。
人の体積の大きさに、教師まで圧倒される。
さほど広くない園庭や園舎に、園児たちと高校生たちが入り混じっているのは、何とも面白い光景である。
高校1年生が40人もいれば、いろんな生徒がいるものだ。園児たちと鬼ごっこをする子、ドッチボールを真剣にする子、ベンチに座ったままで友達としゃべっている子、様々である。
いろんなクラスが日替わりでやって来るので、その高校では1人1回は保育体験をすることになる。
その高校は1学年8組まであるので、園側は年間に計8回も保育体験を受け入れる。園行事を調整する準備もあるものの、同じ教育機関として協力的であった。
初めは園児たちも退いてたけど、
同じ体操服を着た大きなお兄さんお姉さんを
年に8回も見れば、
またこの人たちね、と慣れてくるよね(笑)
これらの取り組みは、教育的な視点ではもちろん、地域間の異年齢の交流という点でも意義が有ると思う。
どこかでバッタリ出会ったとき、「あの時のお兄さんお姉さんだ」となるかもしれない。
ふだん接することの少ない乳幼児たちとのかかわりは、中高生にとっても自分の成長を感じるきっかけにもなるようだ。
大きくなったら、何になりたいですか?
そんな中高生たちが子どもたちの前で自己紹介をするときに、尋ねる質問がある。
大きくなったら、何になりたいですか?
夢を聞くのが大好きなのである。
人前で口にすることで、ぼんやりと浮かんでいた夢に対する気づきを得てほしかったり、決意を感じてほしかったりするからだ。
「○○になりたかったんだ」「○○になるために頑張ろう」
中学生はスポーツ選手や美容師、保育士か幼稚園の先生などを挙げる生徒が多かった。
ふしぎなもので、人それぞれ、その夢の雰囲気に既に合っているのだ。「うんうん、いいね!きっとなれるよ!」と応援していた。
ここ近年はYouTuberやプロゲーマーなども増えている。
高校生はもっと現実的になってきて、公務員や看護師、薬剤師、教員などを答える生徒が多い。
まさかの
教職員や全園児たちが注目するなか、「大きくなったら何になりたいですか?」の質問に
大きくなったら…
アンパンマンになりたいです!!!
振り切った回答をした男子中学生が1人だけいた。
子どもたちはゲラゲラ大笑い。先生たちもクスクスと肩を震わせている。
この緊張する場面でこの発言ができるなんて。しかもドッとウケている。言い方1つで大スベりする可能性も有るのに。なんて強心臓な子なんだと感心した。
面白いお兄ちゃんに、園児たちは寄っていって、なついていた。彼も一緒に園庭を走り回っていた。
この半年後、彼は奇しくも、長男の通っていた高校の後輩になった。
高校の文化祭をまとめる団長に選ばれたと聞き、妙に納得した。その後、難関大学に進学したと、風のうわさで耳にした。
…
アンパンマンは、ただ者ではなかった。
…
夢を知りたい
夢を語ることは、人それぞれの個性をみせてくれる。
通信制の大学の学生となってからも、出会った人たちに「先生をめざしたきっかけ」「免許をとろうと思ったきっかけ」を尋ねている。
人の夢を知りたいのは、人それぞれの個性を感じたいからかもしれない。
筆者が小学校教員となった学校に、
新卒の女の子が先生として働き出しました。
保育体験をやっていた高校のOGである彼女に、「保育体験に来たの覚えてる?」
と尋ねると
「ハイ、誰よりも子どもたちと走り回って汗をかいて、次の日風邪引きました(笑)」
ベンチで座ったまま生徒同士で話している子たちも多いなか、
積極的に園児とかかわって全力で遊んだという彼女、
先生に向いてる素質があるなぁと感じたのでした。
彼女のますますの活躍を期待しています。
小学校の先生になった人たち の記事一覧
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