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保育体験に来る中高生たち3

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保育体験に来る中高生たち の記事一覧

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高1の保育体験

働いていた幼稚園の徒歩圏内に県立高校があり、こちらも家庭の授業の一環として、高校1年生が保育体験に来ていた。

前出の中2・中3生は、園児のクラスに各2人ずつ来ていたので、多くても各園に10人程度までだ。

体操服姿の高校生たちは、1つの組の40人が園までぞろぞろと行列でやって来る。

中学生よりもさらに体格のいい高校生が、園児のいる保育室に各6、7人ずつ入ってきた。

人の体積の大きさに、教師まで圧倒される。

さほど広くない園庭や園舎に、園児たちと高校生たちが入り混じっているのは、何とも面白い光景である。

高校1年生が40人もいれば、いろんな生徒がいるものだ。園児たちと鬼ごっこをする子、ドッチボールを真剣にする子、ベンチに座ったままで友達としゃべっている子、様々である。

いろんなクラスが日替わりでやって来るので、その高校では1人1回は保育体験をすることになる。

その高校は1学年8組まであるので、園側は年間に計8回も保育体験を受け入れる。園行事を調整する準備もあるものの、同じ教育機関として協力的であった。

https://sensei.style/Japan/wp-content/uploads/2020/02/6E2C5BB2-7EBC-449F-87BA-89A1B967BF54.png先輩の幼稚園教員

初めは園児たちも退いてたけど、

同じ体操服を着た大きなお兄さんお姉さんを

年に8回も見れば、

またこの人たちね、と慣れてくるよね(笑)

これらの取り組みは、教育的な視点ではもちろん、地域間の異年齢の交流という点でも意義が有ると思う。

どこかでバッタリ出会ったとき、「あの時のお兄さんお姉さんだ」となるかもしれない。

ふだん接することの少ない乳幼児たちとのかかわりは、中高生にとっても自分の成長を感じるきっかけにもなるようだ。

大きくなったら、何になりたいですか?

そんな中高生たちが子どもたちの前で自己紹介をするときに、尋ねる質問がある。

https://sensei.style/Japan/wp-content/uploads/2020/08/youngwoman_45-e1597309078270.png筆者

大きくなったら、何になりたいですか?

夢を聞くのが大好きなのである。

人前で口にすることで、ぼんやりと浮かんでいた夢に対する気づきを得てほしかったり、決意を感じてほしかったりするからだ。

「○○になりたかったんだ」「○○になるために頑張ろう」

中学生はスポーツ選手や美容師、保育士か幼稚園の先生などを挙げる生徒が多かった。

ふしぎなもので、人それぞれ、その夢の雰囲気に既に合っているのだ。「うんうん、いいね!きっとなれるよ!」と応援していた。

ここ近年はYouTuberやプロゲーマーなども増えている。

高校生はもっと現実的になってきて、公務員や看護師、薬剤師、教員などを答える生徒が多い。

まさかの

教職員や全園児たちが注目するなか、「大きくなったら何になりたいですか?」の質問に

https://sensei.style/Japan/wp-content/uploads/2020/02/seifuku5_gakuran_summer.png男子中学生

大きくなったら…

アンパンマンになりたいです!!!

振り切った回答をした男子中学生が1人だけいた。

子どもたちはゲラゲラ大笑い。先生たちもクスクスと肩を震わせている。

この緊張する場面でこの発言ができるなんて。しかもドッとウケている。言い方1つで大スベりする可能性も有るのに。なんて強心臓な子なんだと感心した。

面白いお兄ちゃんに、園児たちは寄っていって、なついていた。彼も一緒に園庭を走り回っていた。

この半年後、彼は奇しくも、長男の通っていた高校の後輩になった。

高校の文化祭をまとめる団長に選ばれたと聞き、妙に納得した。その後、難関大学に進学したと、風のうわさで耳にした。

アンパンマンは、ただ者ではなかった。

夢を知りたい

夢を語ることは、人それぞれの個性をみせてくれる。

通信制の大学の学生となってからも、出会った人たちに「先生をめざしたきっかけ」「免許をとろうと思ったきっかけ」を尋ねている。

人の夢を知りたいのは、人それぞれの個性を感じたいからかもしれない。

https://sensei.style/Japan/wp-content/uploads/2021/04/94CC7F42-A121-436E-A7F5-2E5AFDCBD687.png筆者の追記

筆者が小学校教員となった学校に、

新卒の女の子が先生として働き出しました。

保育体験をやっていた高校のOGである彼女に、「保育体験に来たの覚えてる?」

と尋ねると

「ハイ、誰よりも子どもたちと走り回って汗をかいて、次の日風邪引きました(笑)」

ベンチで座ったまま生徒同士で話している子たちも多いなか、

積極的に園児とかかわって全力で遊んだという彼女、

先生に向いてる素質があるなぁと感じたのでした。

彼女のますますの活躍を期待しています。

小学校の先生になった人たち の記事一覧

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