幼保一元化(幼稚園と保育園を一体化しようという動き)が進んできている。
長年の保育士、保育園不足もある。既存の幼稚園に保育園児が通えばどうかという考えがあっても当然だろう。
給食室や午睡の部屋、園児も職員も増えるのでそれらの保育室や職員の待機する部屋もさらに必要になる。
一からの新設ではないとはいえ、かなり予算が上積みされる。
幼保が一体化した認定こども園の候補になる幼稚園の名前が挙がって、かなり年数が経つ。
職員の間でも「○○幼稚園の次は、△△幼稚園らしいよ」と話題になっている。
予算面などが理由でなかなか進まないのが現状だ。
小さな自治体の方が、幼保一元化への動きが早いように感じる。筆者の住む隣町は、こども園ができてもう10数年以上経つ。
大きな自治体よりも、予算の割り振りが大規模でなく、園に隣接した土地が民家や会社などでなく田畑などで、買収が進みやすいのかもしれない。
大小いろんな園で働く筆者のような教員たちも、その波の影響を受けているようだ。
長児と短児
保育園も幼稚園も、就学前の子どもを預かるという点では同じではある。
夕方や夜までの長い時間、保育園の保育を受けている長児(ちょうじ)と、
基本的には14時前後までの短い保育時間で、幼稚園の保育を受けている短児(たんじ)を同時に見よう、ということである。
認定こども園や幼保園といわれる施設ができてきている。長児、短児とも保育はすべて同様に行う。
共に昼食後、13時半になると短児の子どもはお帰りの用意、長児の子どもはお昼寝(午睡)に行くというスタイルだと、元同僚の友人が言っていた。
11時半
保育園から幼稚園に移ってきた元同僚の先生が
毎日11時半にお昼の用意と決まっていたので、
子どもの遊びの様子に合わせて昼食の時間が変わるのはびっくりしたよ
と話していた。
例えば、砂場遊びが盛り上がっていたら、11時半になったからといって、急に切り上げないで、様子を見ながら声をかけていく。
日によって昼食の準備が12時を回ることもあった。
子どもは遊びが中断されることは少ないものの、午後の保育計画を調整していかねばならない。
(制作などの主な保育の活動は午前に持ってくることがほとんどなので、昼食後の保育は調整しやすい活動が多かった)
幼稚園と保育園、どちらが良いということではなく、
保育園が定刻に昼食の準備を始めるのは、その後の午睡であるお昼寝にスムーズに移行するためかな、と思われる。
「保育園は生活」と言われるのはこの辺りからだろうか。
休憩時間
幼稚園では、職員の45分の休憩時間が定められていたが、実際にこの時間分を丸々休憩することはない。
子どもたちが14時に降園してから掃除をしたあと、職員室の机の前で座ってできるような、事務仕事や記録、教材準備の時間を休憩時間に当てていた。
保育園やこども園などでは、休憩時間には園児から離れた場で体を休めるようになっていて、教員が休憩を交代でとる時のための要員が必ず存在していた。
子ども園に長く勤務する友人の先生は、
毎日長い時間子どもと接しているので、
休憩がしっかり取れて、大人だけの空間で温かい飲み物でもとれるのはホッとするよ
と話していた。
一方、幼稚園からこども園にうつった友人は、
幼稚園ではお昼ご飯は子どもたちと一緒に食べて、子どもが帰るまで先生はずっと一緒だよね
…
保育園ではお昼の休憩時間に仕事をしてはいけないので、完全に休憩するために別室に移動するの。
…
体が休めるのでありがたいけど、うわさ話になりやすいのがちょっとね
…
担任の先生たちは机があるから職員室で仕事ができるけど
特別支援担当の先生はスペースの関係で机もないから、うわさ話の部屋で休憩とらなきゃいけなくて…
と言っている。
うわさ話が多いかどうかは、各園の雰囲気もあるので、どの園でもそうとは言えないが、
一般的な職場でも、給湯室まわりではホッとしてうわさ話が生まれやすいのは事実だ。