幼保一元化(幼稚園と保育園を一体化しようという動き)が進んできている。
参観
幼稚園の保護者は、基本的に専業主婦(主夫)もしくはパート勤務など、時間の都合がつきやすい家の人が多い。
参観や親子活動などもわりと頻繁に行われていた。
保育園の保護者は、就労(や妊娠・出産等)が入所条件である。
日中の保育活動を見に行くなら、大抵1ヶ月以上前から就労先に時間休暇の手続きをしておかねばならないだろう。
保育園は参観や親子活動の回数が必然的に少なくなる。
長児と呼ばれる保育園児がいるこども園でも同様で、参観が少ないので保護者が送迎以外で園に来る場面が減る。
短児と呼ばれるこども園の幼稚園児の保護者も、一般的な幼稚園より参観は少なくなる。
保育園に預けて働きたい母親が増えている一方で、
子どもが小さいうちは家にいて、子どもと過ごす時間を多くとりたい、園のお迎えは夕方でなくて14時でもいいという母親も一定数いる。
そうした母親にとって、わが子が園で嬉々として活動する姿を見る機会が減ったのは残念だと、こども園になった園で短児部の保護者から聞かれたという。
お菓子の箱
幼稚園で働いていたとき、雨の日などは戸外へ出られないので、保育室の中で制作活動をしていた。
その際に活躍するのが「お菓子の箱」である。保護者さんにお願いして、お菓子やアイス、カレーライスなど厚紙でできた箱を持参してもらっていた。
大小の、色も様々な四角い箱を、園児の思い思いにセロハンテープでつなげていく。
直方体の箱を倒した状態で、自動車に見立てたり、箱を長くつなげて電車の車輌にしたり
左右対象の箱をうまく探してきて、ロボットを作ったりしていた。
幼保一元化で、幼稚園と保育園の先生が同じ建物で仕事をするようになったとき、
保育園の先生方が「全然おもちゃがないわ」
「この箱は何?」と、どんどん箱を捨てて、代わりにおもちゃを買われたそうだ。
確かに「廃材」と 呼んでいたし、読んで字の如く、家庭ではゴミであることに間違いはない。
保育士もしくは幼稚園教諭免許のいずれかだけで採用された時代を経て
幼保一元化に伴って、両方の免許を有することが望ましくなり、特に園の運営をしていく立場の教員は、ないほうの免許を早急にとるように指導があるそう。
これらは一部の例だが、
保育園と幼稚園の考え方の違いが少しずつあって、
しっかり擦り合わせるのに数年かかったと、認定こども園に勤める友人が話していた。