大学院
今回は、2026年7月22日に文部科学省・中央教育審議会教員養成部会から発表された、大学院における社会人等の免許取得に関する新しい動きについてお伝えします。
まだ「中間まとめ」の段階で、確定した制度ではありません。ですが、通信制で教員免許の取得を目指している方にとっては、今後の選択肢に関わる話なので、現時点でわかっていることを整理してお届けします。早くても2030年以降になりそうです。
実は個人的にも、この制度と重なる経験があって、後半で少し触れています。
何が発表されたのか
発表元は、中央教育審議会教員養成部会のもとに設置された「大学院における社会人等の免許取得に資する新教育課程ワーキンググループ」です。2026年7月22日付で「中間まとめ」が公表されました。
ポイントは、あくまで中間まとめであるということです。制度としてすでに動き出しているわけではなく、今後さらに検討が重ねられていく段階のものです。この点を誤解のないよう、まず押さえておいていただきたいと思います。
大学院 新しい制度の骨子
中間まとめによると、社会人が大学院で新しい教育課程(以下、新教育課程)を修了することで、「特別な免許状(仮)」を取得できるようにする、という方向性が示されています。
大きなポイントは次の3つです。
- 期間・単位数:基本的に1年間、大学院で35単位程度の学修を行う
- 取得できる免許:新教育課程の修了により「特別な免許状(仮)」を取得。勤務年数と組み合わせることで、専修免許状の取得も見込める
- 給付金の対象:職業実践力育成プログラム(BP)として位置づけ、教育訓練給付金の対象とする方向で検討されている
新教育課程を受講する際は、大学だけでなく、任用権者である教育委員会等も一体となって受講者を選考する仕組みが想定されている点も、これまでにない特徴です。
大学院 パターンA・パターンBの違い
特別な免許状(仮)の設計については、2つの案が示されています。
| パターンA | パターンB | |
|---|---|---|
| ベース | 既存の特別免許状をベースに名称を新設 | まったく新しい種類の免許状 |
| 専修免許状への上進 | 25単位+実務経験3年で、最短入職後3年 | 必要単位・実務経験は要検討(未定) |
| 対象校種 | 中学・高校が中心(設計により小学校も) | 中学・高校が中心(設計により小学校も) |
パターンA・Bのどちらを採用するかは、今後の議論次第です。現時点でどちらか一方に決まっているわけではないので、今後の動きを注視していく必要があります。
まだ「検討中」の部分も正直にお伝えします
今回の中間まとめには、まだ決まっていないこともいくつかあります。
たとえば、パターンBを選んだ場合の専修免許状への上進要件は「要検討」とされたままです。また、どの大学・どの教育委員会が実際にこの新教育課程を開設するのかも、まだ具体的には示されていません。実施時期についても、現時点で明記はされていませんでした。
新しい制度の話は、つい「もうすぐ使えるようになる」と受け取ってしまいがちです。ですが、こういう検討段階の情報ほど、正確にお伝えすることを大切にしたいと思っています。
大学院 制度が変わっても、変わらないもの
こうした新しい制度の話を聞くと、「結局どの道が自分に合っているんだろう」と迷う方も多いのではないでしょうか。
以前、現行の教職大学院を修了して教員になられた方に取材をさせていただいたことがあります。彼女は、大学を卒業する前に教員を目指す決意が固まり、ご両親にお願いをして、大学卒業後そのまま教職大学院へ進学したと話してくれました。
思えば、私がかつて勤めていた学校にも、教職大学院を出られた先生がいらっしゃいました。ルートはそれぞれ違っても、みなさん同じように教壇に立っていらっしゃいます。
今回の中間まとめのように、その人その人に合った選択肢が少しずつ増えていくのは、私自身、素直にうれしく感じています。まだ検討段階の部分も多いので、これからも動向を見守っていきたいと思います。
こちらもあわせてどうぞ
現行の教職大学院ルートを実際にたどられた方の体験談は、こちらの記事でご紹介しています。
少し個人的な話ですが、私自身、佛教大学の通信で免許を取っていた頃、学生の県役員として新入生歓迎オリエンテーションを担当していたんです。会場にはたくさんの新入生が来ていて、話を聞いていると「大学在学中に先生になりたいと思った」という人がとても多かったんですよね。
今回の制度の話を見て、もしあの時この道があったら、進路の一つとして紹介していただろうな、とふと思いました。
1年間なら浪人や留学と同じくらいの期間ですし、ご家庭の協力が得られれば、十分現実的な選択肢になり得ると感じています(笑)。
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新しい制度の記事はこちら⇩
文科省ページ: https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/123/1360150_00009.htm
PDF本体(613KB): https://www.mext.go.jp/content/20260723-mxt_kyoikujinzai01-000051010_1.pdf
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